FUJIFILM XF LENS XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro HANDS ON|富士フイルム×東京カメラ部

Vol.2

東京カメラ部コンテスト入賞者 石山郁弥 × XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro

青森県内を中心に風景や人物の撮影をおこなっている石山郁弥さん。日頃からXシリーズを愛用し、最新の中望遠マクロレンズ「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」も発売してすぐに購入し、多くのシーンで使用している。XF56mmF1.2 RやXF90mmF2 R LM WRなども所持する身から、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroの使用感を話していただいた。

Interview Vol.2 石山郁弥

──数あるカメラの中からなぜXシリーズを愛用しているのでしょう。

Xシリーズを使う理由は、大きさや軽さ、画質の良さ、色再現の素晴らしさですね。特に色は他メーカーにはないものだと思います。いまはX-T2とGFXを持っていますが、日常使いはX-T2が多く、作品をしっかりと撮るという撮影にはGFXを使うようにしています。GFXも中判デジタルとしては小型ですが、X-T2はやはり持ち出しやすさとレスポンスで優れています。

──お持ちのXFレンズを教えてください。

XF23mmF1.4 R、XF35mmF1.4 R、XF56mmF1.2 R、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro、XF90mmF2 R LM WR、XF10-24mmF4 R OIS、XF50-140mmF2.8 R LM OIS WRの計7本です。Xシリーズをメイン機材にした際に、できる限り単焦点レンズで揃えようと考えました。超広角と望遠はズームレンズを使っていますが、それは単焦点レンズで揃えられない焦点距離だからという理由です。

──XF56mmF1.2 RとXF90mmF2 R LM WRをすでにお持ちの中、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroも購入した理由は?

以前、換算100mmの手ブレ補正付きのマクロレンズでポートレートを撮ることが多かったので、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは僕にとって使いやすいスペックでした。画角というより、手ブレ補正が付いていることは重要視しています。また僕は換算35mmをメインで使い、それに中望遠をセットで持ち歩くことが多く、それならば被写体にグッと近寄れるマクロレンズの方が汎用性が高いかなと。中望遠域はすでに2本持っていたので迷いましたが、ボケが美しいなど前評判も高かったので決断しました。

Interview Vol.2 石山郁弥

──それでは作品を見ながらお話しを伺います。

屋外ですが、スタジオのように光がキレイに回っている場所でした。もっとも気に入っているのは肌の質感。開放での撮影ですが、ピントが合っているところからなだらかにボケていっています。レンズの性能に起因する部分もあれば、フィルムシミュレーション「ASTIA」の特長も関係していると思います。女性のポートレートでは肌をやわらかく表現したいので、最も軟調なASTIAに設定するのが僕の中のデフォルトです。JPEG撮って出しが基本で、少しいじりたければカメラ内RAW現像で調整し、それでもまだ足りなければ現像ソフトでJPEGのデータから編集します。XシリーズのJPEGはクセが少なく、現像ソフトでもいじりやすいですね。

Interview Vol.2 石山郁弥

レンズの2軸手ブレ補正の性能を見たかったので、敢えてボディ内手ブレ補正が付いていないX-T2で地灯りのみで撮影しています。シャッタースピードは1/60秒で、焦点距離を考えると手ブレがかなり怖い状況ですが、瞳に映り込んだ照明の灯りも美しく撮れていますし、髪の毛も見事に解像しています。感度はISO6400で、上限はISO6400に設定することが多いです。しかし、フィルムシミュレーションを「ACROS」に設定しているときは、高感度ノイズが味わい深い描写を生むので、敢えてISO12800にすることもあります。

Interview Vol.2 石山郁弥

札幌駅で撮影していて、背景にはピラミッドのようなデザインの建物があります。人工的なものを圧縮して入れたいなと思って撮りました。前には人がたくさんいますが、80mmなので切り取ることができます。背景のガラスの色を出したかったので、WBシフトを青方向に振っています。

Interview Vol.2 石山郁弥

渋谷のヒカリエで撮影しています。背景は夕陽で、Xシリーズは夕陽の色の再現はとても得意で美しいと思います。ハイライトトーン、シャドウトーン共にマイナス設定し、データを豊富に残すように心掛けました。

Interview Vol.2 石山郁弥

──背景ボケが印象的な1枚です。

夕陽が桜を照らし、オレンジ色がかった桜を背景に撮影しました。周辺は口径食で少し点光源が楕円形になっていますが、これも表現としておもしろい描写になったと思います。個人的にはとても気に入っています。

Interview Vol.2 石山郁弥

──これまでの作品とは描写の傾向が異なりますね。

X-H1から搭載されたフィルムシミュレーション「ETERNA」を使いました。かなり軟調で気に入っています。シャドウ部にも情報は残りますし、ハイライトもやわらかく飛びづらいため、情報量がとても豊富になると思います。今までのどのフィルムシミュレーションにはない階調再現で驚きました。X-H1はX-T2と同じセンサーとエンジンなので購入は見送る予定でしたが、ETERNAが使え手ブレ補正も搭載されていることで、かなり導入に前向きになっています。ちょっとマニアックな意見ですが、GFX用の丸形アイカップを付けたときでもチルト式液晶の可動に干渉しない点も気に入っています。

Interview Vol.2 石山郁弥

まさにこの写真は液晶モニターをチルトさせて撮影しています。中望遠レンズであっても、地面すれすれにカメラを構えれば広角レンズで撮ったかのように見せることもできると思うんですね。でも、よく見れば圧縮効果も出ていますし、中望遠レンズならではの豊かなボケも表現されています。

Interview Vol.2 石山郁弥

これもETERNAですね。肌の質感も美しいですが、瞳に何か写し込んで撮影をするのが好きで、この写真では木が写り込むようにしています。モデルさんの肌がキレイだったので、JPEG撮って出しでいけました。雨が涙のように見えますね。

──瞳の写り込みにこだわるのならば、マクロレンズは強い味方になりますね。

XF56mmF1.2 Rなどでは、この写真のような撮影倍率では撮れません。瞳への写り込みというポイントを写真の中に作ることができるのは撮影者としてとても重要です。瞳の部分を拡大して確認しましたが、とても緻密に写っています。

Interview Vol.2 石山郁弥

スナップレンズ的な使い方もできるという例になるかなと。普段から単焦点レンズを使っているので、撮影のときは体を張るというか、自分自身が動けばいいという考え方です。僕が距離を取れば、周辺の状況も分かる中望遠レンズらしくない切り取り方もできますよね。中距離でも髪の毛が鮮明に写っており素晴らしい描写力だと思います。普段は開放撮影が多いですが、このときはF4です。

Interview Vol.2 石山郁弥

Xシリーズの光の捉え方が好きなので、窓辺で撮影してみました。これは鏡の中を撮っていますが、それでも鮮明。ハイライト部分はパープルフリンジが出やすそうな状況でしたが、まったく問題ありませんでした。ディテール再現性も考えて、ダイナミックレンジは「DR100」に設定しています。

Interview Vol.2 石山郁弥

──しばらくXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroを使用してみての率直な感想をお願いします。

中望遠以上の中ではXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroがベストチョイスです。本当に良いレンズ。ボケのなだらかさもありますし、寄りで撮ることもできますし。XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroを主力として使うのならば、レンズ装着時の重心バランスを考慮してX-T2からX-H1に替えたいですね。GFXに慣れているので、サブ液晶が付いた操作系統も使いやすいです。かなりの高確率で近日X-H1を導入することになると思います(笑)。

さんの写真

東京カメラ部コンテスト入賞者

石山郁弥 Fumiya Ishiyama

青森県弘前市出身。
青森県内の風景やポートレートを中心に撮影。
2016年、2017年アサヒカメラ×東京カメラ部共催[日本の47枚]写真コンテスト入選。2018年東京カメラ部写真コンテストInstagram部門入選。

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XF80mmF2.8 R LM OIS WR

単焦点 中望遠マクロレンズ

XF80mmF2.8 R LM OIS WR

XF80mmF2.8 R LM OIS Macroは、明るい開放F値2.8、焦点距離122mm相当(35mm判換算)のレンズで、「Xシリーズ」用交換レンズで初めて等倍撮影に対応。被写体を原寸大でセンサー上に写すことで、迫力のあるマクロ撮影が可能です。さらに、合焦部の高い解像感と、豊かなボケ味を実現。富士フイルム独自の色再現技術による色彩豊かな描写を生み出し、花などのネイチャーフォトで威力を発揮します。

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