FUJIFILM XF LENS XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro HANDS ON|富士フイルム×東京カメラ部

Vol.3

東京カメラ部コンテスト入賞者 坂口夢華 × XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro

しずくに背景ボケの中の花を写し込む独特の花マクロ写真で知られる坂口夢華さん。マクロレンズを欠かすことができない撮影スタイルにあって、「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」の描写をどのように感じたかを伺った。

Interview Vol.3 坂口夢華

──花、マクロ、水滴というオリジナリティー溢れる世界観の写真をお撮りになっています。

写真をはじめてからは5年くらいです。SNSで見た玉ボケがキレイな写真を撮りたいと思い一眼レフを買ったんです。最初は花のマクロ写真からスタートしたのですが、偶然雨の日に撮った写真の中に、水滴に花が写り込んでいるものがあって、すごくいいなと思ってしずく写真ばかりを撮るようになっていきました。今では坂口夢華=しずく写真と認知していただいている部分もあるので、しずく写真であってもマンネリ化しないように試行錯誤をしてがんばっています。

──普段はどのようなレンズをお使いですか?

APS-Cセンサーのエントリー向け一眼レフに、サードパーティー製の中望遠マクロレンズの組み合わせでずっと撮り続けています。キットレンズからステップアップしたいと思い購入したレンズで、実は1本しか持っていないんです。ですから、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroを使ったときも画角の違和感などはありませんでした。

──XF80mmF2.8 R LM OIS WR MacroとX-H1のファーストインプレションはいかがでしたか?

Xシリーズは初めての使用でしたので、まずは説明書を読み込みましたね。しかしいざ撮ってみると、色が鮮やか。普段使っているレンズの描写が水彩画なら、これは油絵。印象派の絵画のような描写をするというイメージを持ちました。

Interview Vol.3 坂口夢華

──写真を拝見しながら解説をお伺いしていきます。しずくは演出なのですか?

テーブルフォトで、全てセッティングをして撮っています。サイネリアの花の上にタンポポの綿毛を乗せてそこに水滴を置き、しずくにはマーガレットとブルーデイジーが写り込んでいます。背景がボケないと見栄えが良くないので、とろけさせるように気をつけています。輪郭がきついとごちゃごちゃに見えてしまいますから。XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroのボケ味は素晴らしいです。しずくの中の写り込みの絹のようななめらかさに感動しましたね。卓上用のLEDライトを側面から当てていて、写り込まない位置にビーズを配置していて、その反射による色づいた光も利用しています。

──しずくはどのように置くのでしょう。

注射器型のスポイトを使っています。100円均一のお店で手に入りますが、しずくを意図したように置くのはとても根気がいります。ペタッとしてしまうときもありますし、滑り落ちてしまうこともあります。ふっくら良い形にするまでにかなりの時間はかかりますね。綿毛を立たせたりするのも苦労することがありますが、命あるものですから、当たり前ですが接着などは絶対にしないように心掛けています。

──ピント合わせはどのように行いますか?

全てマニュアルフォーカスで、一眼レフを使用しているときもライブビューにして拡大しています。X-H1での拡大はやりやすかったですね。フォーカスレバーでフォーカスポイントを移動させ、フォーカスリングを回せば拡大表示されますし、拡大されたときの見え方もとても良かったです。

Interview Vol.3 坂口夢華

しずくを等間隔で配置するのがとても難しかったです。これは淡い感じで撮りたいなと思い、先ほどの写真と同じく開放撮影ですが、もっと背景をとろけさせたくてシンプルかつ光の当たり方にも気を付けました。すぐに撮影をしないとしずくが落ちていってしまうので、セッティングをあらかじめしておいてササッと撮っています。しずくに写り込むかどうかも背景の花の置き場所によってシビアに変わるので、かなり入念に位置の調整はしますね。

──花はどのように調達していますか?

最初に鉢植えを買い、庭で育てています。小さな花を何種類も植えていて、今ではかなり増えていますね。テーブルフォトではあっても、庭で咲いた花を使っているので季節感を感じられる点も醍醐味。花の栽培など写真を撮るまではまったく興味がありませんでしたが、今ではとても楽しんでいます。

Interview Vol.3 坂口夢華

──ご提出いただいた作品の全てが開放撮影ですね。

実は、普段の機材ではF5.6からF8くらいまで絞って撮影をしています。なぜなら、しずくの中の花が開放では緻密に写らないんです。詳しいメカニカルなことやスペックのことはわかりませんが、XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは驚くほど優れているのだと思います。

──RAW現像はしていますか?

普段はRAW現像するのですが、今回はファーストインプレッションから色を気に入ったのでJPEGオンリーです。現像したときとまったく遜色ないと感じました。フィルムシミュレーションの設定は初期設定のPROVIA/スタンダードのままにしています。現像ソフトは使いましたが、トリミングをしているだけで色はいじっていないですね。

Interview Vol.3 坂口夢華

──三脚は使いますか?

しずくを撮るには三脚が必需品です。これが唯一、三脚を使用せず手ブレ補正をONにして撮った写真ですね。背景の玉ボケはビー玉を青い下敷きに配置しています。ビー玉が楕円形になっており、いわゆるグルグルとしたボケになっていますよね。玉ボケを撮りたくて写真をはじめたくらいなので、ものすごくこのボケ方は気に入りましたし、焦点距離的にも玉ボケは作りやすかったです。

──屋外のスナップなどで手持ち撮影は行いましたか?

屋外ではてんとう虫などを撮りましたが、手ブレ補正は強力ですしAFも速く、狙い通りに撮ることができました。最近はテーブルフォトだけでなく、ポートレートなども撮りはじめています。さまざまな撮影で使ってみたいですね。

Interview Vol.3 坂口夢華

背景にクリスマス用のアクセサリーを置き、しずくを際立たせる位置に玉ボケがくるように調整しました。青の占める面積が大きな写真ですが、わたしは見ていると心が安らぐ青が好きで、普段から青の発色のレタッチにはかなりこだわるんです。X-H1とXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは本当に青がキレイで驚きました。好きな青がJPEGで出てくれて嬉しかったです。

Interview Vol.3 坂口夢華

背景にビーズやビー玉などを置くのを止めて、黒のペーパーをバックにして暗く落ち込むようにしています。これまでの写真が洋風であれば、この写真は和風かなと思います。

Interview Vol.3 坂口夢華

──フォーカスリングのフィーリングなどはいかがでしたか?

微調整がうまくいくレンズだと思います。少し重めにフォーカスリングが設定されていて、シビアに追い込むことができたと思います。

──等倍マクロであることは強みでしょうか。

過去に接写リングを付けて撮ったこともあったのですが、撮影倍率は高くなったものの硬い描写だと感じていまは使っていません。滑らかさ、色の美しさ、ピント面の緻密さ、この3つがしずく写真では大切に考えています。ですから撮影しているテーブルでもっとも光がキレイな10時前後に撮影することが多く、逆光など発色を鈍らせる時間帯には撮影はしません。

──今後もXF80mmF2.8 R LM OIS WR MacroとX-H1の組み合わせは使っていきますか?

開放での描写力、色の素晴らしさ。これを一度体験してしまい自分の中の標準になってしまうと、もうこれまでの機材に戻れないと思います(笑)。

坂口夢華さんの写真

東京カメラ部コンテスト入賞者

坂口夢華 Yumeka Sakaguchi

”ボケ写真が撮りたい!”それだけの理由で、一眼レフの世界に飛び込んで、今年で5年目になります。とにかく触って覚えよう!と毎日たくさんの「失敗」を「学び」とした結果が今の私です。私のストレス解消法は写真を撮ること!その中でも、「花雫」の世界は神秘的で美しくて、すっかり虜です。
東京カメラ部2016写真コンテストInstagram部門入選

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XF80mmF2.8 R LM OIS WR

単焦点 中望遠マクロレンズ

XF80mmF2.8 R LM OIS WR

XF80mmF2.8 R LM OIS Macroは、明るい開放F値2.8、焦点距離122mm相当(35mm判換算)のレンズで、「Xシリーズ」用交換レンズで初めて等倍撮影に対応。被写体を原寸大でセンサー上に写すことで、迫力のあるマクロ撮影が可能です。さらに、合焦部の高い解像感と、豊かなボケ味を実現。富士フイルム独自の色再現技術による色彩豊かな描写を生み出し、花などのネイチャーフォトで威力を発揮します。

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