FUJIFILM X-E3 HANDS ON

Vol.7

東京カメラ部コンテスト入賞者 Sallu × FUJIFILM X-E3

作り込んだ世界観のポートレートや静物写真で、世界各国のファインアート賞に選出されているSalluさん。「JPEG撮って出しができるカメラ」を探し求め、辿り着いたのがX-E3。初めてXシリーズを手にした身だからこそ感じたX-E3の魅力とは。

Interview Vol.7 Sallu

───ストーリーを感じさせる写真ばかりです。写真ではどのようなことを表現したいと考えているのでしょう。

もともとは俳優をやっており、写真にはさほど興味がなかったんです。しかし6~7年前に友人のフォトグラファーと作品撮りをやったとき、僕が絵コンテを描き、1年半くらいかけて撮り貯めて個展を開催したんですね。その経験を通じて写真のおもしろさに気付き、2013年にセブ島で暮らす機会があったときに、自分でも撮れるようになりたいとカメラを手にしました。写真は「点」ですよね。僕がやってきた演技は「動」。点の中で表現しつつ物語があるような世界に興味が湧き、いまもそこに強くこだわりがあります。ただ、ポージングを指示するような撮影方法ではなく、例えば目の前に多くの聴衆がいて、あなたは演説で自分の夢を語っているような状態、というような設定だけを与えることが多いです。セブ島でも報道写真の準グランプリをいただいたことがあり、ドキュメンタリーの部分も大切に考えるほうですね。

───X-E3を使うようになった経緯を教えてください。

RAW現像をしないでもいいカメラを探していました。ライブ感を残せるというか…。同時にフィルムカメラを使いたいという欲求もあったのですが、なかなか難しい面もあり、フィルムシミュレーションをはじめフィルム時代の良さを採り入れているXシリーズが気になっていたんです。誰もが良いと思える写真は、きっとフィルムで撮られた写真のように、一発勝負をかけたものだと思います。そういうものに僕も刺激を受けるんです。

───実際にJPEG撮って出しで満足のいく画質でしたか?

画質は素直に鮮明で素晴らしかったですが、僕はそれも大切である一方、いかに多くの人に届くものが出てくるかだと思っており、それを実現してくれる画質が僕にとっての良い画質です。X-E3は、例えるならセッションのような気持ちで撮影していても、シャッターを切るだけで結果的に良い画質としてポンと出してくるので素晴らしいです。RAW現像ばかりしていると、僕はフォトグラファーではなくてレタッチャーなのかと思ってしまいますよね。レタッチをすればするほど、撮影時の一瞬から遠ざかっている気がします。

Interview Vol.7 Sallu

───それでは写真を見ながらお話しを伺います。子供がジャンプをした瞬間です。

特に設定はいじっていません。AFのシングルポイントで、たぶんここに飛んでくるだろうという予測はしますが、ジャンプした後、フォーカスを合わせています。それだけAFが速くて正確。これは僕の息子で、遊び回っているところを撮っているだけの演出なしのライブ写真です。露出設定はマニュアルですが、ISOをFnボタンに割り振っておけば、ファインダーを覗いた状態で右手操作だけで全ての露出設定が変更できます。これはマニュアルで撮影する人にとっては大きな利点ですね。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:宮内勇輝

───続いては雪の写真です。

鳥取砂丘に作品撮りに行ったのですが、強風が吹き荒れる猛吹雪に見舞われました。実は20秒くらいの長時間露光で撮影しているんです。風よけはしていますが、軽量の三脚であってもブレることなく撮ることができました。シャッターのショックなどが少ないのか、手持ちで1/15秒くらいであれば余裕を持って撮ることができるカメラだと感じました。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:宮内勇輝

同じく鳥取砂丘で、こちらは日中で手持ち撮影をしています。曇天で強風。とてもフラットなシーンでしたが、それでもコントラストがしっかりと出て世界観を構築してくれる描写力に驚きました。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:塩田倫

これは車の中で撮影しています。車の中って光の条件がとても良いんですよね。これはスモークを貼った窓を締めて撮っているため、柔らかい光が顔を照らしているような状況なんですが、X-E3はそのような弱い光の捉え方がものすごく得意。この写真も美しい肌色再現になったと思います。環境光を捉えるのが上手いということは、室内などで撮ることが多い子供の写真にも向くということですよね。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:宮内勇輝

───続いてはモノクロです。過去の作品の中にはモノクロのものも多いですよね。

アクロスは何としても試したいと思っていました。ウワサ通り滑らかで素晴らしい質感で撮ってくれます。明るいところから暗いところまでの繋がりが良く、トーンが破綻しているところがないんです。これは1秒の長時間露光。以前、モデルとして全編夜撮りの作品撮りをしたことがあるので、どのように立てば長時間静止出来るかというノウハウがあります(笑)。長時間露光は多用しますね。僕はどこか空間の中に人物がいるような写真が好きで、長時間露光をすることによって、空間に存在する、ということが浮き彫りになる気がするんです。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:宮内勇輝

撮影場所に到着したとき、宮沢賢治さんの作品に出てきそうな場所だなと思い、全身黒の衣装だったところにストールをマントのように巻いてもらい撮影をしました。僕の後ろに看板があり、それがレフ板代わりになっており、それが不思議な世界観を作ってくれたと思います。ハイライトとDRの調整で白飛びを抑えています。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:池田祐樹

マウンテンバイクのプロアスリートの方で、世界戦に向けての高地トレーニングの様子を密着した時のものです。動きのある被写体も一発で決めてくれるAFの速さと精度の高さには本当に驚きます。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:工藤優太

───続いては少し色味が異なる印象を受けます。

これはクラシッククロームで撮影をしています。彼が撮る映画のロケハンに同行して撮っていますが、雨の照り返しなどもクラシッククロームで撮ると独特のノスタルジックな雰囲気になりますね。イギリスにいるかのような1枚になっていると思います。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:南翔太

───映画のワンシーンのような写真です。

彼は『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』の主演を務めたことがあり、子供たちのヒーローとして活躍していました。そういったキャラクターとは正反対の一面を引き出せたらと思い、クラシッククロームを使い大人の雰囲気を作っています。何か仕事を終えた感じというか、外車のCMのようにも見えますよね。渋さというか、人に対して情景を感じさせるという感覚がクラシッククロームの良さだと思います。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:南翔太

PROVIAは一転してオールマイティーですよね。朝日の逆光が、吐く白い息を照らして自然な色で描写されています。日が昇ってくるのに合わせて、ハイライトをカメラで調整しています。朝日は変化が速いので、右手だけで設定を変えられるのは便利です。

Interview Vol.7 Sallu

モデル:南翔太

同じくモデルは南翔太さんですが、これは夕方です。朝は茨城で撮影をし、これは東京です。まるでロケ隊のように日本中を車で移動します。計画はするものの、計画に縛られたくないという気持ちがあり、実際に偶発的に撮った写真の方がおもしろいことも多いですね。これはファインダーを覗いていますが、もっとカメラを高く上げ、背面液晶モニターを見て撮影したカットもあります。そういう撮り方をしてもブレは気になりませんでした。

Interview Vol.7 Sallu

───日常的な雰囲気です。

大きい羽毛布団は家の洗濯機では洗えないので、コインランドリーに妻と行ったときに撮りました。ポージングではなく、帽子を直している瞬間ですね。意外と人間の日常生活の中にはドラマになる一瞬がたくさんあるじゃないですか。そういうものを撮るのも好きです。

Interview Vol.7 Sallu

子供にとっての最高のカメラマンは親ですよね。動き回る子供の素晴らしい一瞬を撮ることができるカメラなので、お父さんお母さんには本当にオススメしたいです。これは息子です。彼にとっての最高の遊び道具は広い場所もう何十往復もしていましたよ(笑)。逆光が強かったので、ハイライトをマイナス側にして撮っていますが、レンズも逆光に強く、フレアやゴーストはほとんど出ませんでした。

Interview Vol.7 Sallu Interview Vol.7 Sallu

あまり花には興味はなく、これまでも撮ったことはほぼありません。家の階段に花があり、窓からのとても弱い光を受けていて、これを撮るとどうなるんだろうと。ISO2000で手持ちで撮っただけで、こんなに生を感じさせる写真が撮れるとは。かなり驚きましたね。

Interview Vol.7 Sallu

───最後にX-E3の総評をお願いします。

富士フイルムに対する信頼は凄まじいものになりました。撮った時点で良い写真になっていると信頼ができるので、撮影に集中できるんです。まさに撮影はセッションになりました。X-E3を使うことで、カメラや写真に対する意識が変わったと思います。

Salluさんの写真

東京カメラ部コンテスト入賞者

Sallu

アートディレクター兼モデルとして写真作品制作に携わったことで、 写真と出会う。 海外移住をきっかけに独学で撮影を始め、日本帰国後、俳優、芸術家、スポーツ選手等、人物撮影及び広告撮影を中心に活動。

Awards
毎日新聞社 / 読売新聞社 / Tokyo International Photo Awards (TIFA) / International Photography Awards (IPA) / Monochrome Photography Awards (Mono Awards) /International Photographer Of The Year (IPOTY) / Prix de la Photographie Paris (PX3) / Fine Art Photography Awards (FAPA)

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