FUJIFILM XF LENS XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro HANDS ON|富士フイルム×東京カメラ部

Vol.5

東京カメラ部10選2017 眞鍋久徳 × XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro

関西を中心に風景写真を撮影している眞鍋久徳さん。普段は中望遠から望遠域をズームレンズでカバーし、さまざまな画角で風景を切り取っている。35mm判換算120mm相当の単焦点かつ等倍マクロの「XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macro」は、そのような撮影スタイルの中でどのように生きるのだろう。さまざまなシーンでX-H1と共に使用した感想を伺った。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──中望遠から望遠域で普段お使いのレンズは?

70-200mmのズームレンズを使うことが多いです。風景の場合、単焦点レンズで画角を制限してしまうのはマイナスになると捉えてきましたが、最近は動物のポートレートを撮るようになってきていて、そのときは単焦点レンズが必須だと思います。動きのある動物を高速シャッターで止めるため、開放F値が明るい単焦点レンズでシャッタースピードを稼ぎたいという理由もありますが、単焦点レンズはボケ味が美しいという点も大きな理由です。XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroの個性的なボケ味もとても好ましかったですね。X-H1の性能に寄与する点も大きいと思いますが、AFのスピードも食いつきも素晴らしかったです。

──X-H1のようなミラーレス一眼は風景写真において強みになりますか?

EVFならば暗闇でもフォーカスピーキングを使ってピント合わせがおこなえます。そして、撮りたい風景を求めて山に入ることもあるので、軽量であることも大きな武器になりますよね。ミラーレス一眼はさまざまなメーカーのものがありますが、やはりXシリーズは色の美しさ、特にJPEG撮って出しのクオリティーが高いというウワサを耳にしていましたが、今回の撮影で実感しました。これまでは高画素機に強いこだわりを持っていました。でもXF80mmF2.8 R LM OIS WR MacroとX-H1の組み合わせでは、何も不満に感じる点はありませんでした。星も撮りましたが、高感度にも強いという印象を受けましたね。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──それでは写真を見ながらお話しを伺っていきます。まず、鹿の写真です。

ここ最近、動物のポートレートに力を入れています。滋賀県在住ですが、奈良公園まで出掛けて鹿を撮影することが多いですね。風景とは撮影の仕方がまったく違います。三脚を使って風景を撮る場合、ISO100でしか撮らないじゃないですか。動物の場合は、ISOを含め露出をいじり回し、動きのある動物の場合はシャッタースピードを上げるなど露出の細かい操作が必要になります。風景は現像で仕上げていくという楽しみがありますが、それとは異なるライブ感が新鮮です。AFの食いつきや露出設定の操作性など、カメラとレンズの総合的なポテンシャルを感じながら撮影をしました。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

大ぶりのレンズですが、AFスピードに関しても気になる点はありませんでした。シングルポイントAFで撮っていますが、精度も素晴らしいです。この写真では顕著ですが、個性的なボケ味が距離感によって出るんです。このボケ味が楽しめるのは大きな魅力だと思います。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──サルは鹿よりも動きが速く撮影に難儀しそうですね。

京都の嵐山モンキーパークいわたやまで撮影しました。いまはベビーラッシュなんです。とにかく動きが速いので、開放でシャッタースピードを稼いでいます。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──続いてはマクロ域で捉えた昆虫です。普段はマクロ撮影をおこないますか?

いえ、まったく撮りません。ですから、マクロ撮影は開放で撮るのが良いのだろうと思い、はじめのうちは開放で撮っていましたが、ピント面が薄いので、わずかにピント位置をずらしながら撮影し、ピントが来ているものを選びました。眼にしっかりとピントが来ている奇跡の1枚です(笑)。その後、もう少し絞って撮影するようになりましたが、それでも背景はとろけるようなボケ味になり驚きました。ズームレンズを主力として使っていると、このような等倍マクロの世界はとても新鮮です。同じような切り取り方で作品にしようとしたら、大胆にトリミングをして画質を犠牲にしなければなりません。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──マクロ撮影時の手ブレ補正の効きはいかがでしたか?

とても強力です。マクロレンズの場合、シフトブレというものも気になりますが、それも良好に補正されていると感じました。この写真はF7.1まで絞っているんです。シャッタースピードは1/160秒で、この撮影倍率であればかなり手ブレが危険なはずですよね。でも手持ちで難なく撮影できました。ここまで絞っているのにボケが豊かだと思いませんか? グラデーションがなだらかでピント面が先鋭だからなのか、さまざまなシーンでF値以上の被写界深度の浅さを感じました。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──続いては風景写真です。

カキツバタの群生地として有名な場所で、花が咲く時期には毎年足を運んでいます。風景写真家が好みそうなシチュエーションを、見た目に近い印象のまま、考えられないくらいキレイかつ忠実に撮ってくれました。レタッチせずとも十分なクオリティーがありましたね。これはX-H1に関する話しになりますが、とにかく背面液晶モニターの視認性の高さが素晴らしかったです。このような明暗差があるシーンでは暗部が見えないものですが、屋外でありながら斜光の奥まで確認しながら撮影できました。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──前ボケが印象的な写真です。

ピントは数メートル先のミツバツツジに合わせていますが、その前後のボケがとにかく美しいですよね。お気に入りの1枚です。紫色でサンドイッチするように構図もこだわりました。普段撮っている風景写真とはテイストが違いますが本当にお気に入り。インスタグラムでもトップ10に入るくらいの反響でした。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

長野県野平にある有名な桜です。桜と天の川を撮りに行ったんですが、背景の雪山がキレイだなと思い撮影しました。これはわたしがよく撮るような風景写真ですね。F8で撮影していますが、緻密に解像しておりレンズとカメラのポテンシャルを実感しました。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

35mm判換算120mm相当の画角は風景で使うにはちょっと難しい面もありますね。本来であれば35mm判換算16mm相当の広角レンズで撮るようなシーン。一部を切り取るという感覚で使うことになりますが、雲海のディテールは美しく出ていると思います。圧縮効果や主役を切り取るというような場面でこそ力を発揮する画角ではないでしょうか。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

ピンクに色づいた空と富士山を素晴らしい発色で捉えてくれています。いわゆる富士フイルムならではの記憶色というものですね。色は見た目に忠実ですし、マクロレンズであってもここまで緻密かつ立体感豊かなに描写してくれることに驚きます。ディテールと濃淡の再現に優れているので、モノクロにしてもおもしろいかもしれないですね。

Interview Vol.5 眞鍋久徳

──作風の中でXF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroは活かせそうですか?

中望遠域のマクロレンズを使うのであれば、間違いなくXF80mmF2.8 R LM OIS WR MacroとX-H1の組み合わせを手にしたいですね。ボケ味の個性やマクロ撮影時の切れ味の鋭さはもちろんのこと、「色」という点をもっと活かす撮影にも使ってみたいです。特に花火ですね。今回の撮影を通じて、確実に花火映えする発色をすると確信しています。実は花火も撮影したのですが、レリーズを用意していなかったためにブレが出てしまい提出を控えたんです。ぜひリベンジ撮影をしたいと思っています。現像処理で花火を鮮やかにすることもできますが、どうしても派手になりすぎて白々しくなってしまうんですよね。それならXならではの色を活かし、現像は控えめにしつつも作品として仕上げてみたいんです。

──XF80mmF2.8 R LM OIS WR Macroだけでなく、X-H1とのマッチング、Xシリーズの色再現や操作性も含めて気に入ったという感じでしょうか。

まさにそうですね。レンズの絞りリングやカメラのダイヤル類で露出を設定するという独自路線は最高です。カメラマンにとって、アナログ感を残した操作性は素直に楽しいんです。ワクワクしながら撮影をすることができました。これからも色を重要視した風景写真、露出設定を細かく変えていく動物ポートレートで使ってみたいと思いました。

眞鍋久徳さんの写真

東京カメラ部10選2017

眞鍋久徳 Hisanori Manabe

本業は金属の研究者。8年前に娘を撮影しするために購入した一眼レフカメラに魅了され独学で撮影方法を取得。風景、動物を中心に撮影しているが基本はなんでも撮影します。写真を撮ることは好きですがそれよりも大自然、動物などをゆっくりのんびり眺めることが好きです。また、撮影地など出逢ったご縁を大切にしています。感動する写真、心に残る写真をモットーに活動しています。

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XF80mmF2.8 R LM OIS WR

単焦点 中望遠マクロレンズ

XF80mmF2.8 R LM OIS WR

XF80mmF2.8 R LM OIS Macroは、明るい開放F値2.8、焦点距離122mm相当(35mm判換算)のレンズで、「Xシリーズ」用交換レンズで初めて等倍撮影に対応。被写体を原寸大でセンサー上に写すことで、迫力のあるマクロ撮影が可能です。さらに、合焦部の高い解像感と、豊かなボケ味を実現。富士フイルム独自の色再現技術による色彩豊かな描写を生み出し、花などのネイチャーフォトで威力を発揮します。

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