FUJIFILM X-T3 HANDS ON|富士フイルム×東京カメラ部

Vol.3

東京カメラ部10選2017 shabon × FUJIFILM X-T3

花、海、風情ある風景、四季折々の情緒などと共に、女性や子どものドラマチックなポートレートを撮影しているshabonさん。かつてはフィルムの中判カメラを愛用し、オールドレンズを経て、X-T3とXF16-55mmF2.8 R LM WRへ。最新のXシリーズとフラッグシップ標準ズームレンズで撮影した感想を伺った。

Interview Vol.3 shabon

──Xシリーズは初めてお使いになったそうですが、なぜXシリーズを使おうと思い立ったのでしょう。

知人や好きなフォトグラファーさんがXシリーズを使っていて、みなさん発色が良いとおっしゃっていたので気になっていたんです。これまではミラーレスにオールドレンズを使うことが多く、豊かなボケ、逆光時のフレアなど曖昧な描写を楽しんできました。フィルムの中判カメラを使っていたので、カチッとした描写よりも柔らかい雰囲気が好みで。でも、ずっと単焦点レンズを使ってきたので、ズームレンズにも憧れがありました。それは風景の中に人がいるというような引きの写真が増えてきたこと、花火など暗所での撮影にも対応できる高性能レンズが欲しくなってきたことなど、私自身の意識の変化も影響していると思います。XF16-55mmF2.8 R LM WRはとても使いやすく、レンズを交換する手間も省けたので撮影が軽快になりましたね。そして、高速なAFと連写モードの組み合わせがよかったです。モデルさんに動いてもらい、連写を続けて最高の瞬間の1枚を選ぶというような撮影方法を最近はよくするのですが、今回も良い表情の瞬間やジャンプをした瞬間など、お気に入りの一瞬を撮ることができました。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

──それでは写真を見ながらお話を伺っていきます。

桜の強い生命力が感じられ、そして地面の影もとても美しく、この中にモデルさんを入れて撮りたいと思いました。広角端を使っていますね。RAW現像は必ずするので、フィルムシミュレーションや画質調整にこだわるというよりも、まずは人物をしっかりと撮っておき、後からがんばろうという感覚でした。でも、RAWそのものの階調や色乗りがすごく好みで、彩度を少し落とし、作風である青みを足したくらいの微調整です。地面の影がすっきりとしているところが気に入っています。

──青みにこだわる理由はあるのですか?

フィルムで撮影をしていたときはFUJICOLOR PRO 400Hという青みが特徴的なフィルムを愛用していたんです。その時の感覚に近づけようとしているのだと思いますね。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

ひたち海浜公園の有名なネモフィラです。ふたりのモデルさんに走ってもらい連写で撮りました。フレームインからフレームアウトまでを撮り続け、その中から気に入ったものを選んでいます。AFモードはシングルポイントですが、モデルさんがフレームインした瞬間に合わせてくれるので、他のモードに変える必要はありませんでした。ネモフィラ畑は通路以外立ち入れないので、ズームレンズで自由な構図を作れるのは便利ですよね。これまではレンズの明るさにもこだわってきましたが、開放F2.8でもここまでボケてくれれば十分だと感じました。青の出方がすごく気に入っています。やはり富士フイルムの色がしっくり来るのかもしれません。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

長野県にある八重桜の並木で撮影しました。広角端を使い、桜の花の面積をなるべく大きくしつつ、奥行き感が出るように意識しています。広角で撮っていても前ボケがキレイなので、お花の柔らかさも表現できていますし、人物にも目が行く立体感もありますよね。フォーカスポイントは背面の8方向レバーで動かしています。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

山中湖で撮影しています。このモデルさんはバレエをやっている方なので、動きのあるところを撮りたいと思い、ジャンプをしてもらったり自由に動き回っていただいて、わたしは遠目から連写で狙いました。また、富士山、湖面の模様、雲の表情など背景の美しさも撮りたくて、かなり絞り込んでいます。うっすらと虹も出ていて、それもしっかり写っていました。絞り込んだためISO3200を使っていますが、ノイズは全く気になりません。 X-T3とXF16-55mmF2.8 R LM WRの組み合わせは手ブレ補正がありませんが、ずっとオールドレンズでやってきたので補正がないことに慣れていますし、高感度でもクリアな描写なので、これまでは使ってこなかった高感度撮影もできるなと感じました。X-T3は黒の締まりが強いと感じたので、モデルさんを含めてシャドウ部を少し後から持ち上げています。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

──続いては風景写真です。

群馬県の館林の公園の有名な鯉のぼりです。リフレクションがキレイだったので、そこをしっかりと写そうと心掛けました。広角すぎると余計なものが写り込むので、望遠でシンプルに切り取っています。水面の玉ボケは後から合成で追加しています。玉ボケ素材などもストックしていて(笑)。水面などが入っている写真に玉ボケは使うことが多く、少し幻想的な雰囲気を作る効果があると思います。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

桜がフレームのようになっていたので、その中にモデルさんに立ってもらいました。背景が暗く落ち込んでいて、桜がまるで夜の空に舞う雪のように見えて幻想的です。この写真に限らず、肌色の滑らかさと透明感は素晴らしく、レタッチ前からほとんど変わりませんし、レタッチもしやすいという感想を持ちました。撮影直後は未編集の段階でモデルさんに写真データを送ることもありますが、「お気に入りです!」と戻ってくるのはX-T3で撮った写真であることが多いですね。それは肌がキレイだからという理由は大きいと思います。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

八重桜が咲いている公園です。逆光で木漏れ日がキレイだったので、その風景も同時に見せたくてモデルさんにはここに座っていただきました。逆光でも八重桜の色は濃厚に出ていて、あまりそのあたりはレタッチでいじっていません。逆光だったのでモデルさんを少しだけ明るくした程度でしょうか。目で見たままの木漏れ日も描写してくれました。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

今回提出した写真の中で、もっともモデルさんに近づいている写真ですね。肌がキレイ。コントラストを少しいじったくらいで、この透明感は素晴らしいと思います。この写真でも連写は使っていて、風に髪の毛がなびいた瞬間を選びました。このくらい至近距離から撮影するときは瞳AFも併用しています。かなりの精度で検出してくれるので、オンにすることも多かったですね。

Interview Vol.3 shabon

使用機材: FUJIFILM X-T3
+ XF16-55mmF2.8 R LM WR

波が寄せて来た瞬間を連写で撮っています。実際にモデルさんも濡れてしまってはいるのですが、波を多重露光で足すことで、完全に水に浸かっているような感じにしています。彩度は落とし気味にしていますが、肌色も一緒に元気がなくなってしまわずに、滑らかさと透明感を保っているところがスゴイと思いました。

Interview Vol.3 shabon

──最後にX-T3を使用してみての感想をお願いします。

まずコンパクトなシステムがいいなと思いました。ボディのサイズ感はもちろんですが、F2.8通しのズームレンズを付けてもコンパクトさを保っていて複数台の持ち歩きもできると感じました。そして、富士フイルムならではの色味です。これは本当に評判通りの素晴らしさでしたね。RAWもJPEGも美しかったですが、EVFを覗いたときの画質の良さが驚きで、撮りたい気持ちを後押ししてくれるような感覚になるんです。フィルムカメラライクなデザインも好みで、持ち歩く楽しさもあります。作風に合う機能性、狙い通りの色味、デザイン性。全て好みに合ったカメラでした。

さんの写真

東京カメラ部10選2017

shabon

宮城県生まれ。埼玉県在住。
フィルムカメラの柔らかい描写に惹かれ、2007年頃本格的に写真を始める。デジタルではオールドレンズを使用し、フィルムのような質感に仕上げる。光や動きを意識しながら、ポートレートや日常の中の幻想的なシーンを切り取る。多重を駆使したアート作品も好む。
東京カメラ部10選2017。

上へスクロールする
X-T3

FUJIFILM X-T3

独自の色再現技術で卓越した画質を実現するミラーレスデジタルカメラ

小型軽量ボディに、新開発の裏面照射型2610万画素「X-Trans™ CMOS 4」センサーと現行比約3倍の処理速度の高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載し、シリーズ史上最高の画質とAF精度を実現。ブラックアウトフリー高速連写などにより動体追従性能も向上させています。さらに、色調豊かで滑らかな4K動画の記録が可能な4K/60P 10bitに世界で初めて対応するなど、動画撮影機能も拡充し、プロの映像制作ニーズにこたえます。

スペシャルコンテンツはこちら
GFX 50R HANDS ONX-E3 HANDS ON
X-PhotographersXF LENS GALLERYFUJIFILM Xseries FacebookFUJIFILM Xseries InstagramFUJINON LENS GALLERY Facebook富士フイルム公式 Life with Xseries Instagram