FUJIFILM X-E3 HANDS ON

Vol.2

東京カメラ部 コンテスト入賞者 高橋優里 × FUJIFILM X-E3

夫婦でXシリーズを愛用している高橋優里さん。スナップ、静物、テーブルフォトなど、さまざまな作風に取り組む中、X-E3にはどんな利点があるのだろう。使ってみての感想を伺った。

Interview Vol.2 高橋優里

──本格的に写真に取り組むようになったきっかけは?

カメラを買ったのは7年前で、2年ほど前からはSNSでも作品を公開しています。これは2014年に東京カメラ部の展示を見たことがきっかけです。わたしと同じ主婦という立場の方もたくさん作品を出されていて、強く刺激を受けたんです。また、日常の中の一瞬も切り取り方次第では素晴らしい作品になることに感動して、本格的に写真をやろうと思い立ちました。

──ご夫婦でXシリーズを共同でお使いになっているそうですね。

主人がX-Pro2とX-T2を使っていたのですが、いまではわたしがX-Pro2を使う機会が多くなっています。最初に触らせてもらったとき、クラシッククロームとアクロスの色再現に驚きましたね。どちらもアンダー気味であっても階調が残っている感じ。仕上がりの方向性によってはXシリーズを使うようになりました。現像をすることもありますが、JPEG撮って出しの色合いが好きなので、トーンカーブを少しいじるくらいのことが多いですね。

──X-E3の第一印象は?

手に馴染むサイズ感ですよね。カメラは毎日持ち歩くことができた方がいいという考えを持っているので、軽さはとても魅力的でした。28mm相当の画角のコンパクトカメラも持っていますが、画角に慣れるのにとても時間がかかったんですね。それでも持ち歩きのことを考えて使っていたのですが、X-E3であればレンズは好みのものを付けることができるうえに軽いのでちょうどいいと思います。同時にフルサイズの一眼レフも持っていますが、それはきちんと現像をすると決めている撮影のときにしか持ち出しません。X-E3は両者の間を埋める存在になってくれるなと思いました。

──今回はスナップ、静物、テーブルフォトの3つのテーマで撮影をしてくださいました。まずスナップから解説をお願いします。

思った通り、日常の中の一瞬を切り取るという点に関しては最高のカメラですね。レンズはXF23mmF2 R WR、XF 18-55mmF2.8-4 R LM OISの2本がメイン。スナップの際は絞り優先AE、F4-5.6、クラシッククロームという組み合わせで撮ることがほとんどでした。

Interview Vol.2 高橋優里

──雨の東京駅でしょうか。

モノクロで撮るのならば断然ACROSを使います。ボケの部分の粒子も美しくて質感が出ます。デジタルカメラのモノクロは、ほとんどのものが軟らかすぎる気がするんです。実はもともとはハイキーな写真からスタートしているんです。いまも作風はさまざまですが、写真家の内田ユキオさん(以下内田さん)のトークショーなどを聴くようになってからというもの、だんだんとスナップやローキーの作品が増えていきました。夜の撮影でも感度の上限はISO1600。ただ、ACROSは高感度にすると美しい粒状感が出るので、ISO3200を敢えて使うこともあります。

Interview Vol.2 高橋優里

──夕刻のスナップです。

これは新宿駅で母親の買い物に付き合っていたときに撮りました。建物から外に出たら、光がきれいだったので、母と話しながらX-E3をカバンから取り出して撮った一枚です。すぐ取り出せてこういう瞬間を収められるとカメラを持っていてよかったなと思いますね。

Interview Vol.2 高橋優里

──続いてもストリートスナップです。

これは六本木ですね。フジフイルムスクエアの奥にある大型広告モニターの光が床に当たっています。この反射を活かしたくて、人が通るのを待って撮影しました。スナップではEVFではなく背面液晶モニターを使うことが多いです。やはりカメラを覗いて構えていると、みなさん気を遣って立ち止まってくださったり回り道をされたりするんです。逆に人に入ってもらいたいときも多いので、背面液晶を見てさりげなく待つことも多いですね。

Interview Vol.2 高橋優里

──少しスナップとは作風が違い、幾何学的な図柄を活かたアート寄りの世界観です。

このような直線的な人工物はよく撮ります。階段と自転車のグリーンがおもしろいなと思い撮ってみました。水平垂直は撮影時に気をつけますが、最終的な微調整はLightroomで作業しますね。背面液晶モニターには水準器を常に表示させています。

Interview Vol.2 高橋優里

──続いて花の写真ですが、これもローキーな雰囲気ですね。

コスモスの小さな花畑があって、だいぶ枯れてしまっていたんですが、空をバックに花を写したらきれいかなと思い、お花の中にカメラを突っ込み、地面すれすれから撮影をしました。カメラが軽いため、このような無理な体勢でも長時間ホールドできるのがいいですよね。構図を決めてから、フォーカスレバーでピント位置を変えて撮影しています。タッチAFも使いましたが、X-Pro2と同じ操作感のフォーカスレバーの方が慣れていたので今回はフォーカスレバーを多用しています。フォーカスエリアも広く、画面の隅でもピントがしっかりと合うところがいいなと思います。

Interview Vol.2 高橋優里

──こちらはカラフルな壁を使ったミニマルな写真です。

内田さんの写真を見ているとミニマルな写真も数多くあり、そのような作風にもチャレンジしたいと考えていました。この葉はかなり高い位置にあったのですが、腕を伸ばしても重さに負けず、ブレることなく撮ることができました。

Interview Vol.2 高橋優里 Interview Vol.2 高橋優里 Interview Vol.2 高橋優里 Interview Vol.2 高橋優里

──続いては静物シリーズです。

あまりごちゃごちゃとさせず、シンプルに徹して撮りたいという想いがあるので、背景は黒や白のモノトーンにすることが多いです。ライティングはせずに自然光で撮っていて、自宅の中でキレイに光が射し込んでいる場所に移動して手持ち撮影をしています。大理石っぽい背景のものはペット用の大理石柄のマットで、30センチ四方くらいの小さなもの。影の出方、ボケの中の粒状感などにこだわっていて、Xシリーズは粒状感とローキーの発色がキレイなので、アンティークっぽさを出したい場合は必ずXを使います。逆に光沢紙にプリントをしたいような場合はフルサイズ一眼レフ。このシリーズでは仕上がりによって使い分けをしています。

Interview Vol.2 高橋優里

──そしてテーブルフォトです。よくあるテーブルフォトとは少し異なる印象を受けますね。

テーブルフォトというと、ハイキーですっきりとしているものが主流だと思います。その中で自分の作風を出すにはどうしたらいいだろうと考えて、少しアンダー目にすること、食べ物だけではなく、自分の好きな花を入れることなどを思いつきました。静物シリーズと同じく、シックな雰囲気を出すときにはXがとても向きます。黒の生地を使いローキーで撮影をしても、しっかりと黒潰れすることなく描写してくれます。

Interview Vol.2 高橋優里

──海外の雑誌のような雰囲気のテーブルフォトです。

これはクラシッククロームで撮って出しです。海外のテーブルフォトは、たしかにアンダー目だったりシックな雰囲気のものが多く、影響を受けているかもしれません。仕事でバリスタをしているので、写真の中の世界でも自分が取り組んでいるものをモチーフにしたいと思っています。コーヒーの液面、出がらし、器具、これらのアイテムがクラシッククロームの渋い発色とコントラストにとても似合うんです。

Interview Vol.2 高橋優里

──X-E3は今後メイン機となっていきそうですか?

スナップや作品撮りで活躍してくれるのはもちろん、バリスタをしているときに、新メニューを急きょ撮影するときなども助かる存在になると思います。今まではそんなとき、カメラが手元になくて泣く泣くスマホで撮影をしていたのですが、これからは急なオーダーにもX-E3があることで対処できそうです。

──作品をスマホに転送して即共有するような使い方はしますか?

InstagramとTwitterにはとてもいいと思います。Facebookの場合は、キレイに見える画像サイズに変換したりするので、PCからの公開がどうしても必要。X-Pro2ではWi-Fiを使ったことはなかったんです。今回初めてチャレンジしましたがとても簡単で便利でした。出掛けている場所からタイムラグなく公開したいときもあるので、これからも活用していこうと思います。実はここ数日、X-E3からスマホに転送した画像を共有していたんですが、反応はすごく良かったです。またX関連のタグを付けると、さまざまな国のXユーザーが見てくれるんですね。これは今までになかったこと。X-E3をメインに使うことで、また楽しみが広がりそうです。

高橋優里さんの写真

東京カメラ部 コンテスト入賞者

高橋優里 Yuri Takahashi

1985年埼玉県生まれ。
2010年にデジタル一眼レフを購入。
2015年、東京カメラ部の写真展をきっかけにカメラ友達やたくさんの写真に出会い、写真との向き合い方を模索し始める。スナップを中心に、自身がバリスタであることからコーヒーを取り入れたテーブルフォトなどを撮っている。
2016、2017、東京カメラ部写真コンテストInstagram部門入選。

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